REPORT特集

小川由廣を探して街歩き【07. 柏崎市新花町 金刀比羅宮】

2026.08.24


「07.柏崎市新花町 金刀比羅宮
 




獅子狛犬よりも、社殿側の台座に立つ天狗と烏天狗。この社に祀られる金毘羅権現の眷属が、大天狗であると知れば納得できる。

由廣が好んで彫刻の素材とした千草石と台座の浅間石を見た途端、彼の作と思ったが、造像銘板を見て驚いた。彫刻師の名が見つからない上、奉納日が昭和44年。由廣の没後14年後に奉納されていたことから確証が持てなくなった。それから数年後、由廣の親戚宅から数々の作品の下座が発見される。その中に、この天狗とカラス天狗を描いたものが見つかったのだ。

実はこの社の周辺は、由廣の作品を所有する方が沢山いる地域。個人で所有していたものを、後になり奉納したものと考えられるのだ。


発見された下図との対比。手にするものが入れ替わっている。



火災の多かった花街の貸座敷を、この地に移転させるため勧進されたこの社。玉垣には、遊郭と娼妓の名前が残されていて、悲しい歴史に心が苛まれてしまうのだ。



 

この記事を書いた人

春口敏栄


エッセイスト 春口敏栄はるぐちとしえ

1961年(昭和36)柏崎市生まれ

地元新聞誌上で2017年より「呑んべぃ親父の独り言」シリーズのコラムを連載中。地元FM局では同シリーズの番組を担当。親しみやすい内容は幅広い年齢層の方々に支持されている。

郷土の歴史に愛着を感じ、さまざまな分野の調査、研究を進めており、講演の依頼も多数。彫刻師 小川由廣の研究では第一人者。小川由廣に関する著書を出版。講演会、市民大学講座、個展等も予定されている。

「呑んべぃ親父の独り言」(2022年10月発行)、「続 呑んべぃ親父の独り言」(2024年5月発行)、「彫刻師 小川由廣を探して」(2024年1月発行)、「小川由廣のライオンたち」(2024年11月発行)

*柏崎市内の尚文館書店、文化書院、柏崎市役所売店の他、上越市の春陽館書店(本町4-1-18)でも販売中。