REPORT特集

小川由廣のライオンたち【3.高達のライオン像】

2024.12.13



「3.高達たかたつのライオン像」
 

 由廣の作品を語る上で、欠かすことの出来ない、上越市文化財・旧直江津銀行「ライオン像のある館」(上越市中央3-7-31)。

 建物の名にもなっているライオン像こそが、小川由廣の名を一躍世間に知らしめた作品だ。



 石炭王・高橋達太が発注したことから、別名“高達たかたつのライオン像”と呼ばれた。百年以上もの間、直江津のシンボルとしてここに佇んでいる。

 しかしながら、「日本橋三越本店前のライオン像や旧香港上海銀行ライオン像を真似たもの」と、紹介されることが多々あって心が痛い。比べてみれば一目瞭然。共通点はライオンであるというだけで、由廣の完全オリジナルであることが理解できる、素晴らしい造形だ。

 柏崎市や上越市で見つかった小型(全長1m未満)のライオン像は、高達の像に至るまでに造られた試作品ということが判っている。


 妙高市新井地区で産出される、千草ちぐさ石に彫られたその姿は、まさに「威風堂々」。紛れもない由廣の代表作なのである。




 

この記事を書いた人

春口敏栄


エッセイスト 春口敏栄はるぐちとしえ

1961年(昭和36)柏崎市生まれ

地元新聞誌上で2017年より「呑んべぃ親父の独り言」シリーズのコラムを連載中。地元FM局では同シリーズの番組を担当。親しみやすい内容は幅広い年齢層の方々に支持されている。

郷土の歴史に愛着を感じ、さまざまな分野の調査、研究を進めており、講演の依頼も多数。彫刻師 小川由廣の研究では第一人者。小川由廣に関する著書を出版。講演会、市民大学講座、個展等も予定されている。

「呑んべぃ親父の独り言」(2022年10月発行)、「続 呑んべぃ親父の独り言」(2024年5月発行)、「彫刻師 小川由廣を探して」(2024年1月発行)、「小川由廣のライオンたち」(2024年11月発行)

*柏崎市内の尚文館書店、文化書院、柏崎市役所売店の他、上越市の春陽館書店(本町4-1-18)でも販売中。