REPORT特集

小川由廣のライオンたち【4.高達のライオン像と由廣のライオン像】

2024.12.16



「4.高達たかたつのライオン像と由廣よしひろのライオン像」
 





由廣の作品は大きく分けて2パターンある。「ライオン像のある館」の高達像に代表される伏せた姿(座像)と、四肢を踏ん張る姿(立像)である。

私は、座像と立像が混在する全長1m未満の小さな作品群は二体を除き、高達に至る試作品。大きな像は全て高達の評判から、注文を請けて作られたものと考えている。

普通であれば「高達と同じモノ」と、座像を求められたはず。しかし由廣は、高達像以降は立像だけを彫り続けた。恐らく由廣は、世に送り出して貰った高橋達太に恩義を感じ、座像を封印したと思われる。

柏崎市と茨城県。更に樺太サハリンに納められた立像は、新たな自身の代表作「由廣のライオン像」とすべく、世に送り出していたのだろう。獅子狛犬に見立てた阿形と吽形のライオンたちは、まさに一見の価値有りだ。





 

この記事を書いた人

春口敏栄


エッセイスト 春口敏栄はるぐちとしえ

1961年(昭和36)柏崎市生まれ

地元新聞誌上で2017年より「呑んべぃ親父の独り言」シリーズのコラムを連載中。地元FM局では同シリーズの番組を担当。親しみやすい内容は幅広い年齢層の方々に支持されている。

郷土の歴史に愛着を感じ、さまざまな分野の調査、研究を進めており、講演の依頼も多数。彫刻師 小川由廣の研究では第一人者。小川由廣に関する著書を出版。講演会、市民大学講座、個展等も予定されている。

「呑んべぃ親父の独り言」(2022年10月発行)、「続 呑んべぃ親父の独り言」(2024年5月発行)、「彫刻師 小川由廣を探して」(2024年1月発行)、「小川由廣のライオンたち」(2024年11月発行)

*柏崎市内の尚文館書店、文化書院、柏崎市役所売店の他、上越市の春陽館書店(本町4-1-18)でも販売中。