REPORT特集

小川由廣のライオンたち【8.柏崎海浜ホテル】

2025.02.12


「8.柏崎海浜ホテル」
 



 

 柏崎海浜ホテルの敷地内で、空を見上げる吽形のライオン像。品田館主からお話を聞くと、先々代が由廣から三点セットで購入した作品の一つ。他にも、龍の天水桶と水を吐く夫婦龍を所有していることを知り驚いた。
 購入時のいきさつは、由廣の芸術家としてのプライドが垣間見れるもの。実はこの三作品は、かつて柏崎で名を馳せていた老舗旅館が注文したものだった。しかし納品の段になり値切られる。約束を反故されたことに激怒した由廣は全てを引き上げたそうだ。
 こちらのホテルの前身は旅館であり、日本庭園を有していた。由廣の方から「幾らでも良いから…」と、声が掛かり買い取ることになったと云う。
 造像銘は無いが、台座には浅間石がふんだんに使用されている。単体で置かれる大型の吽形はここだけであることから、悪田稲荷神社のライオン像の対として、造られた物かも知れないのだ。





サイズは(高さ600㎜×長さ1400)悪田稲荷神社(高さ850㎜×長さ1400)とほぼ同じ。単体の吽形は珍しいことから、当初は対として作られた物かも知れない。



 

この記事を書いた人

春口敏栄


エッセイスト 春口敏栄はるぐちとしえ

1961年(昭和36)柏崎市生まれ

地元新聞誌上で2017年より「呑んべぃ親父の独り言」シリーズのコラムを連載中。地元FM局では同シリーズの番組を担当。親しみやすい内容は幅広い年齢層の方々に支持されている。

郷土の歴史に愛着を感じ、さまざまな分野の調査、研究を進めており、講演の依頼も多数。彫刻師 小川由廣の研究では第一人者。小川由廣に関する著書を出版。講演会、市民大学講座、個展等も予定されている。

「呑んべぃ親父の独り言」(2022年10月発行)、「続 呑んべぃ親父の独り言」(2024年5月発行)、「彫刻師 小川由廣を探して」(2024年1月発行)、「小川由廣のライオンたち」(2024年11月発行)

*柏崎市内の尚文館書店、文化書院、柏崎市役所売店の他、上越市の春陽館書店(本町4-1-18)でも販売中。