REPORT特集

小川由廣のライオンたち【12.非公開個人所蔵~荒浜】

2025.05.20


「12.非公開個人所蔵〜荒浜」




 

明治時代から昭和の初めまで、古物商を営んでいたお宅が所有するライオン像。造像銘は無いが、今の御主人が子供の頃に、祖父から「二つの石像は、悪田のヒゲの爺さん(由廣の仇名)の作品だ」と聞いていたそうだ。

小さなライオン像は、高達のライオンを造る際の試作品。後に彫られる大きな立像と異なり、顎を上げず正面を向いているのが最大の特徴だ。高達像の目的が、「鬼門封じ」であったことからの造形であろう。




 

顔は松雲山荘のライオン像に瓜二つであることから、試作の中でも初期のものと推測される。タテガミはカールが少なく束感があり美しい。立ち姿は、高達像には採用されなかったが、その後の由廣のライオン像の原点となっている。

こちらのお庭には、ライオン像の他に飛翔獅子と呼ばれる狛犬があるが、残念ながら非公開となっている。





 

この記事を書いた人

春口敏栄


エッセイスト 春口敏栄はるぐちとしえ

1961年(昭和36)柏崎市生まれ

地元新聞誌上で2017年より「呑んべぃ親父の独り言」シリーズのコラムを連載中。地元FM局では同シリーズの番組を担当。親しみやすい内容は幅広い年齢層の方々に支持されている。

郷土の歴史に愛着を感じ、さまざまな分野の調査、研究を進めており、講演の依頼も多数。彫刻師 小川由廣の研究では第一人者。小川由廣に関する著書を出版。講演会、市民大学講座、個展等も予定されている。

「呑んべぃ親父の独り言」(2022年10月発行)、「続 呑んべぃ親父の独り言」(2024年5月発行)、「彫刻師 小川由廣を探して」(2024年1月発行)、「小川由廣のライオンたち」(2024年11月発行)

*柏崎市内の尚文館書店、文化書院、柏崎市役所売店の他、上越市の春陽館書店(本町4-1-18)でも販売中。