REPORT特集

小川由廣のライオンたち【13.北園町由廣親戚宅】

2025.06.17


「13.非公開個人所蔵~北園町由廣親戚宅」




 

由廣の親戚宅に贈呈されていたライオン像。大きな立像と異なり、吽形で正面を向く姿は、高達のライオン像を作る際の試作品と思われる。大きさは若干異なるが、荒浜の品田宅の像と構図は同じ。写真を並べてみれば瓜二つである。



 

胴体の造形の割に頭と顔が不鮮明で、全体が赤みを帯びている。始めは風雨で摩滅したものかと思ったが、よく見れば加工途中の未完成の作品だと判る。途中で放棄された理由は、赤みがかった材質なのか、それとも座像が採用された為に中断された物なのか?と想像を膨らませてしまう。

個人的には、この正面を見据える立姿に好感を持っている私。ここまで造りかけたなら、完成させて欲しかったと思ってしまう。しかし、それは素人が思うことであり、彫刻師としてのプライドが、鑿を置かせていたのかも知れない。





 

この記事を書いた人

春口敏栄


エッセイスト 春口敏栄はるぐちとしえ

1961年(昭和36)柏崎市生まれ

地元新聞誌上で2017年より「呑んべぃ親父の独り言」シリーズのコラムを連載中。地元FM局では同シリーズの番組を担当。親しみやすい内容は幅広い年齢層の方々に支持されている。

郷土の歴史に愛着を感じ、さまざまな分野の調査、研究を進めており、講演の依頼も多数。彫刻師 小川由廣の研究では第一人者。小川由廣に関する著書を出版。講演会、市民大学講座、個展等も予定されている。

「呑んべぃ親父の独り言」(2022年10月発行)、「続 呑んべぃ親父の独り言」(2024年5月発行)、「彫刻師 小川由廣を探して」(2024年1月発行)、「小川由廣のライオンたち」(2024年11月発行)

*柏崎市内の尚文館書店、文化書院、柏崎市役所売店の他、上越市の春陽館書店(本町4-1-18)でも販売中。