REPORT特集

小川由廣のライオンたち【15.非公開個人所蔵〜埼玉県草加市】

2025.07.28


「15.非公開個人所蔵~桜木町由廣生家」




 

「小川由廣を探して」を出版後、埼玉県に住む由廣のお孫さんから「自宅にライオン像を始め、作品が数点ある」とお電話を頂いた。お願いして写真を送って貰うと、柏崎の生家の阿形とサイズも形状もよく似ることから、対で作られた吽形像と推察される。それまで生家のライオン像が、他の作品とは異なる雰囲気を持つことには気付いていたが、それが何に由来するのかが分からずにいた。ところが、この像の台座裏には「由広 七十三才」と彫られていたことから、全ての謎が解けたのだ。

これまで見てきた小型のライオン像のほとんどが、由廣が三十代後半に彫った、高達のライオン像を造る際の試作品。しかし、生家と埼玉のお孫さんが所有する二体に限っては、晩年に家族に遺すために彫り上げたものだった。亡くなる二年前に彫られたこの二体。由廣のライオン像の中では、最後の作品となるのである。



 

この記事を書いた人

春口敏栄


エッセイスト 春口敏栄はるぐちとしえ

1961年(昭和36)柏崎市生まれ

地元新聞誌上で2017年より「呑んべぃ親父の独り言」シリーズのコラムを連載中。地元FM局では同シリーズの番組を担当。親しみやすい内容は幅広い年齢層の方々に支持されている。

郷土の歴史に愛着を感じ、さまざまな分野の調査、研究を進めており、講演の依頼も多数。彫刻師 小川由廣の研究では第一人者。小川由廣に関する著書を出版。講演会、市民大学講座、個展等も予定されている。

「呑んべぃ親父の独り言」(2022年10月発行)、「続 呑んべぃ親父の独り言」(2024年5月発行)、「彫刻師 小川由廣を探して」(2024年1月発行)、「小川由廣のライオンたち」(2024年11月発行)

*柏崎市内の尚文館書店、文化書院、柏崎市役所売店の他、上越市の春陽館書店(本町4-1-18)でも販売中。